裏銀座縦走行動記録



     上村友一        
  	
					




  	
裏銀座コース縦走記録
(2012ひだまり山の会)

8月20日午後3時、飯能を発った一行は8時過ぎ七倉山荘に到着。

改装なった奇麗な宿と素晴らしい温泉に満足。

翌朝は6:00にゲートの開くのを待って、分乗タクシーで高瀬ダムの堰堤まで。

此処からは日本3大登りのブナ立て尾根の登り。

烏帽子小屋で休憩するも、烏帽子岳に登らず、三つ岳を越え野口五郎の山荘を目指す。

三つ岳の登りで振り返ると烏帽子岳の鋭鋒が見送っている。

その奥には船窪岳、更に針の木岳・鹿島槍・五竜・白馬連峰から朝日岳までくっきりと見える。

更に更に、その直ぐ左には立山連峰が、その陰に隠れた剣岳は八つ峰だけがここに居るよと

右手に頸を出す。東沢谷を隔てて対岸には真正面に赤牛岳がその名の通り特徴的な赤い山肌

を誇張し、その左の峰続きには黒岳とも言われる水晶岳。

野口五郎の小屋はコジンマリとしているが、最盛期を過ぎて、比較的空いていた。

翌22日の朝は小屋から富士山や浅間山そして八ヶ岳連峰が見えた。

野口五郎岳からは真砂岳の北側をトラバースするため暫らくは南側の槍穂は見えない。

真砂を巻くと東沢乗越までは急な岩稜の降り。湯俣川や天上沢を隔ててワリモ・鷲羽の先

には遠く笠が岳のトンガリが見え、南に槍穂の勇姿・東には大天井や常念岳、北には今越

えて来た野口五郎岳・勿論、赤牛から立山連峰・後立山連峰から白馬連峰までの大パノラマ。

この眺望が水晶から鷲羽岳・三俣蓮華岳まで続く。

東沢乗越からは水晶小屋に向けて今度は急な岩稜登り。水晶小屋で水晶岳往復組と待機組の

二手に分かれたが、待機組は先に出立。ワリモ岳直下で再合流し共に鷲羽岳の山頂へ。

此処からも360度の大展望。北アルプスの全貌が立体写真のようだ。勿論乗鞍岳やその奥(南)

には御嶽山までも。雲も無く、空気は乾燥し、山々が近く見える。鷲羽池の碧色が神秘的。

この真向かいには槍ヶ岳が。

長く且つ急峻な鷲羽岳を降ると、昨年黒部五郎登山の折利用した三俣山荘。

ここは水量豊富で汲水は無料。(野口五郎小屋は水200円、湯400円)

展望を楽しみながら三俣蓮華岳から丸山を経て中道ルートを双六小屋に降る。

ここは、ハード・ソフト共抜群。日本の山小屋にもランク付けがあるなら、文句無く五つ星だ。

何から何まで文句の点けようの無い気配りと都会のホテル並みの設備と配置。

勿論水は使い放題?。歯磨きは勿論顔も洗える。此処までの疲れもこれでパワー充填。

夕食前に、持参した酒類からつまみ類を総揚げしてすっかり出来上がり、シアワセ!!

翌23日は4:00頃から樅沢岳を登るヘッドランプの明かりが、小屋の部屋から確認できた。

今日はコースタイムで5時間35分。

前日や前々日の9時間半コースに比べれば楽勝。

樅沢岳の登りはきついが、登り切ると槍穂の連峰が眼前直ぐ近くに屏風の如く立ちはだかり、

左手・湯俣川沿いには赤岳と硫黄岳が赤白の山肌を晒し、硫黄乗越を過ぎ左俣岳に達すると、
千丈沢を隔てて北鎌尾根の峨々たる勇姿。独標の左肩には大天井岳が。
千丈沢乗越からは標高差300Mの急登。槍ヶ岳山荘が見え、ルンルン気分の中、突然山荘の

東側の肩に到着。まだ午後1:00.  チェックインの後2:00ごろから全員(15名)で大槍に

登りこの山行での最高地点を踏む。

夕食までの長い長い時間、暮れ行く山々をゆったりと鑑賞する。至福の一刻。

流石に槍ヶ岳山荘は大きく宿泊棟がいくつにも連なり、最高所には自炊棟が、地下階(地中では

なく受付より低位置)には1度に140人もが食事の出来る食堂が。

夕暮れや朝焼けの絶景をと、自称カメラマン?(宿泊者のほとんど全員)が大忙し。

翌24日、最終日。山よサヨナラ!と槍沢を降る。上高地には14:00到着。待機していたバスに

乗り込み、イザ・・待望の温泉で4日間の汗を流し、1時間半ものゆったりとした時間、ビール

と参加者の差し入れで仙境を彷徨う。

帰路の道路は順調で、車中、参加者各自の感想発表や山の歌などを合唱しながら、飯能へは

20:00に到着・解散。

総括
@	連日快晴で、山並みがくっきりと見え、アドレナリンが脳に充満。

A	メンバーの足並みがそろい、一人の落伍者も出さず、ほぼ計画通り又はそれ以上に

順調な足並みだった。(初日の野口五郎小屋は18:00予定が16:00に、2日目の双六小屋は17:30予定が16:30に到着)

B 基本的計画がしっかりしていた事が全ての源。