第7回ひだまり山の会山行
北ア 燕岳(2763m)

2006年11月15日〜16日

参加者名:荻原安廣、安藤しぐれ、庭野直人、伊藤寛、池田真奈美      上村友一、上野玲子、島崎好司、田中早苗 現地参加:中山圭子、中山郁夫、
会計報告
11月の燕岳 想像以上の白く美しい別世界となっていた燕岳でした。 あの美しい山の姿はこれからの人生にも宝もののようなショットとして脳裏に残るだ ろうと、そう思わせるものがありました。 燕岳は花崗岩の山で、とくに頂上付近は余計なものがなく、3,000m級の冬山の形とな ります。それを比較的短時間に安全に目にできる幸せをしみじみ感じました。 さて久しぶりに荻原の運転で中房温泉へ。男5人は外のテント、女4人はマイクロバス で、シュラフにくるまって仮眠、朝6時には別の車で来た中山夫妻と合流。中房温泉は 日帰り温泉棟が新しくできていて登山口が一瞬わかりにくかったです。 第一ベンチあたりから雪はありましたが、本格的な雪は合戦小屋からとなり、合戦ノ 頭から、夏は尾根を巻いて登りますが、尾根どうしに行く冬道を登りました。新雪な のでそれなりにラッセルはありましたが途中下る人が5人いたので、トレースははっき りしていました。前の夜は40m降ったそうです。いわゆる稜線に出ると、風が強くなり 燕山荘の冬期小屋あたりに抜け出ると、もう生命を感じさせない世界です。 燕山荘からは休憩もそこそこに頂上を目ざしましたが、山頂への道のとり付きが、とん でもない吹きだまりとなっていたので、メンバー中5人が向かうことにしました。 なんとか日没前には燕山荘にもどりました。 他には宿泊者がいないので、快適な燕山荘の山小屋ライフもたっぷり味わえました。 (寝具はブレスサーモのシュラフ) 翌朝は残念なことにガス。小屋の人たち3人が、私たちに先だって、ワカンでトレース をつけてくれるとのこと。はじめは辞退したのですが、生態系の面からもそうします というので、おことばに甘えました。合戦ノ頭までトレースをつけてくれ、そのあと 登ってくる人5人とすれ違いで、私たちは楽な下りのラッセルを、交替で楽しみました。 この夜も40cm積もったので上村さんと田中さんと庭野君がモクモクとこいでいました。 さて、中房温泉、私たちは有明荘のオフロに入りましたが、なんといいお湯!! 帰ってから数日たちますが、あのお湯に恋こがれています。   安藤 記 日 程 11月14日(火)  21:30 飯能集合(レンタカーにて) 15日(水)  01:30 中房温泉着(シュラフか毛布などでテントor車中泊)              07:30  〃  発             08:57 第2ベンチ             11:10 合戦小屋  合戦よりラッセル
11:30             14:18 燕山荘             14:40  〃 発             15:58 燕岳             17:00 燕山荘            16日(木)  08:40  〃  発             09:50 合戦小屋             11:28 第3ベンチ             13:50 中房温泉             20:10 飯能着
      
















 ラッセル行軍!燕岳・・・                     文責圭子ママ

いつかはその雄姿を拝んでみたいと誓っていた燕岳。名前からして天に近づけそうな颯爽

とした山姿に憧れ続けついに登頂の機会を得た。

11月14日「日だまり山の会」の皆さんと一緒に登頂すべく一足早く碌下の貸し別荘に

着いた時は冷たい雨が・・・・。どうか明日は晴れますようにと祈るような気持ちで後発

隊の皆様を待ち翌15日早朝6時には「中房温泉駐車場」に到着。

一行11名。小雪の舞う中、紅葉も終り唐松の落葉の絨毯の登山道を歩き出した。第一、

第2ベンチ辺りまでは、さほどの積雪も無く順調に歩は進む。富士見ベンチ辺りで積雪が

始まり合戦小屋に辿りつく頃には、もう今何月?と聞きたくなるような冬景色。気温マイ

ナス7度。でも燕岳登山はここからが本番だった。

合戦小屋からの道は膝下まで埋まるほどの雪道の吹き溜まり。うっかりするとズッポリと

嵌ってしまう場所も・・・・所謂冬道を辿っている為、尾根歩きと言うわけにはいかない

が、持ち直してきた天気のお陰で樹氷の輝く山々が見える。ハイ松は完全に雪の下。

小さな雪の塊が歩を進める私達の右側斜面をコロコロと可愛く転がっていく。赤い旗印に

誘われるように先行のラッセル隊を強脚のメンバーが交代で頑張って下さった。

私達二人は、ひたすらそのすぐ後を遅れてはならじと黙々と付いて行くのみ・・・・だっ

て、置いて行かれたらもう此処の住人になるしかないし、タカポンは探しに来てくれない

って言うし・・・・・山が開け山荘の屋根を目の前にしてからの雪の深い事!風の強い事!

やっとの思いで山荘のトビラを開けた時は「ああーー着いたー。とりあえず、生きてる!」

って感じ・・・・でも、山頂を極めるのはこれから!健脚組について一度は行きかけたも

ののトレースも無い道。吹き溜まり。強風。3月の天狗岳同様もし登っても降りられない

し又、私の為に登頂断念のメンバーを増やすことは許されない・・・あっさり諦め、もの

の10分で山荘へ引き返した。先へ歩を進めたはずの主人も5分後には撤退。やっぱり私

達は冬山の山頂は極められない力量のようだ。でも、戻ったその目に飛び込んだのは「ブ

ロッケン!」もう大感激!2000m以上の山に登り始めた頃一度でいいから拝んで見た

いと思っていたブロッケン現象!まーるい虹の中に私、主人、タカポンの影が交互に見え

た!それはさながら菩薩観音のよう。思わず自分に手を合わせるという妙な経験。ヤッ

ター!ヤッター!ふと山頂を見れば5人の雄姿が燦然と山頂に輝いている!凄いなー。

最後まで山頂にその姿を残していた荻原さんはまさに「風に立つライオン」の如くカッコ

良かった!その後、山荘内では、先に登頂を祝いホットワインで乾杯組と暖かいストーブ

を囲み楽しい一時。とても清潔で夕食も美味しく親切で穏やかな素敵な燕山荘だった。

翌朝、吹雪の中の下山。山荘の方が私達と自然保全の為に先行ラッセルをしてくださる。

有り難く何回御礼しても足りないくらいの感謝感謝。

下りが苦手で怖がりの私の為に、上村さんはずっと「ラッセルタイガー」の如く私の足元

を気遣い雪を払い、道を開け・・・それが無かったら無事な下山は無かったかも知れない。

ご一緒下さった皆様。本当にこんな愚図の夫婦と過ごしてくださり有難う御座いました。

この会でなかったら絶対経験できないであろう雪山を充分堪能する事が叶い「生きる為に

山に登る」という思いをまさに実感できた燕岳でした。アッそうそう。行きはバテタらし

いタカポンも帰りは絶好調!最後は美人の上野様、田中様と握手が叶い泣いて喜んでました(余談)

以下、撮影:島崎好司