野尻一夫紀行

  大菩薩というとハイキングで人気の山ですが、

冬、1月から3月は雪の世界に変貌し、樹林の切れるところがあるので、

天候によっては風の強い難しい場面もあるそうです。



コースは、裂石から大菩薩峠を経て大菩薩嶺に登り、

唐松尾根を下って裂石にもどるというものですが、

積雪状態などで大菩薩嶺まで行けないときは往路をもどります。

積雪量の多い丸川峠方面には行きません。



約7時間の計画でした。私にとっては未踏峰です。

昨年12月から、山行なし、ジョキングも高血圧のためドクターストップと、

不安一杯の山行でした。



中型バスに13名で一人一列の楽な出発でした。

圏央道から中央道へと順調に進み、8時18分裂石着、早めに出立した。

お天気はどんよりと曇り、無風状態のなか、

冬山装備では暑く、ジャケットとフリースを脱いで登った。

冬季以外では裂石から上白川峠までは、車で行くところを約2時間掛けて登った。

足元に雪は残り、木々は樹氷の花盛りで実に美しかった。



  上白川峠で一息入れて、本来の登山道に入る。

辺りは一面の雪景色、登るにしたがい細かい雪が舞いだした。

第二展望台を過ぎる頃には、雪中行軍となる。

雪はサラサラでほとんど気にならず、気温も徐々に下がり、

かなりの急登になってもあまり汗をかかない状態で、息だけを切らせて登った。



雪はだんだんと深く、強くなり、風も吹き出し、アウターウエアを着用。

12時、福ちゃん荘にてアイゼン着用となる。風雪とも強まり横なぐりとなる。

13時大菩薩峠に着く。

すでにバテていた私は、「この辺でリタイアしたい」申し出たが、

「もう少しだし、コースは戻らないから、頑張って」と言われる。

最後の上白川峠への分岐点にザックを置いて、頂上に向かう。



初めこんなに違うのかと思うほど体が軽く思えたが、10分もすると、また遅れだした。

程なく大菩薩嶺に着いた。ほっと一息いれるも、

「気温がどんどん下がっているし、予定より大分遅れているので、記念撮影だけで、すぐ下る。夕暮れとの競争だ」と、

リーダーの冷酷な宣言を恨めしく聞いた。

14時30分下り出発。

下りは得意、バテているから足元に十分に気を付ければ大丈夫と下りだした。



案の定、トップに離れることなくスムーズに歩くことが出来た。

むしろ後ろが離れ、待つことしばしばだった。

裂石の駐車場に17時10分着、大分遅れている。



雪は益々降りしきる。

温泉に17時45分着、風呂上りの生ビールは効いた。

18時45分に出発。途中コンビにて酒肴を仕入れる。



まもなくニュースが入る「雪のため中央道は渋滞」も、酒盛りが始まった車内、あるいは居眠りする人など、

誰も気にしていなかった。

中央高速の初雁IC付近の交差点で、かなり渋滞の中登りの車がスリップして、止まっていた我がバスにぶつかる。

けが人はなし。警察を呼び事故処理のため約2時間を立ち往生。

それからも、諸所で立ち往生を避けたりして、飯能には22時すぎとなる。

ラーメンを食べて、我が家に着いたのは24時だった。



私には非常にハードなものでしたが、

幸いアイゼンを引っ掛けることもなく多くの人に励まされ、

助けられての成功でした。有難うございいました。



 タイム
06:20飯能南口発=
08:18裂石車止め(登山口)着8:40発…10:50上日川峠11:08…12:50大菩薩峠13:15…14:30大菩薩嶺14:50…
上日川峠15:56…17:10裂石車止め
=22:15 飯能着