2015年5月

梅里雪山

今回行ったのはチベットの『梅里雪山』。実は『梅里雪山』というピークはありません。七つのピークを総称して

こう呼んでます。今回は山登りというより「山ながめ」が主たる目的です。小林尚礼著書の『梅里雪山 17人の

友を探して』という本を読み、ぜひともこの山を間近かで眺めてみたくなりました。1990年12月から91年

正月にかけて京都大学学士山岳会と中国登山協会の合同隊が雪崩に巻き込まれ、17名が死亡。現地に滞在して

遺体捜索を続ける内容の本ですが、いまだ未踏峰の『主峰カワカブ』とはどんな山なのか。17人をのみ込んだ

『明永氷河』とはどんな氷河なのか。・・・

今回、天気は良かったのですが、山は雲に覆われて見ることができない。「『プレ・モンスーン』とはいえ、すでに

雨季が近い。『ポスト・モンスーン』の時期にもう一度来ないとダメかなぁ」半ばあきらめかけておりました。とこ

ろが5月29日早朝、天気を確認するため雨崩の山小屋を出てみると目の前に『マーベンゼンデウーショ(6000m)』

が、その左には『尖峰メツモ(6054m)』が全貌を現わしておりました。バンザイしたくなるほど嬉しかったですね。

本当に救われた気分です。

添付写真の『若きサイクリスト』について説明を少々。彼女とは『バイマン峠(4300m)』の茶店で会いました。

自転車で昆明をスタートし、昆明(1900m)⇒麗江(2400m)⇒香格里拉(3300m)⇒ベンズラン(2100m)⇒バ

イマン峠(4300m)⇒徳鉄(3400m)⇒ ・・・(その後も『茶馬古道』を北上し、チベットの『ラサ(3600m)』に

ゴール予定)。2000kmを20日かけて走破するとのこと。この標高に注目して欲しい。3000mを超えると

空気が希薄になり、苦しくなるのはわれわれも十分承知してますが、彼女はベンズランから標高差2200mを登り

切り、標高4300mのバイマン峠に到着しました。荷物の中味を見せてもらうと水入りペットボトルが10本。

カメラを向けると喜んで撮影に応じてくれました。本当に「若いって素晴らしい!」。

                             池 田 いさお